犬の健康寿命を伸ばそう

ブログ中川本店

近年、医療の発展や飼い主の意識の変化により犬の寿命が昔に比べ2倍ほどに伸びています。
しかし、寿命が伸びているのにも関わらず健康寿命はそれほど変化していません。
一体なぜでしょうか。

そもそも、健康寿命とは病気もない健康な状態のことです。

寿命が伸びている=高齢犬が増える=歯周病や循環器疾患が増えていきます。
”犬は家族”という認識が高まっている中、寿命が伸びた分健康寿命も伸ばしていきたいものです。

日常生活やご飯、コミュニケーションによって健康寿命は伸ばすことができます。
健康寿命を短くするNG行為を一つずつ見ていきましょう。

人間のご飯を与える

私たち人がご飯を食べているときに、物欲しそうに愛犬に見つめられた”ちょっとだけ”とついついあげたくなる気持ちもわかりますが、一度濃い味のついたものや加工品(ハムやウインナー)を口にしてしまうと体に悪いうえに普段のドッグフードを食べなくなってしまいます。
ドッグフードには体内では整形できない必須アミノ酸など必要な栄養素が入っているので健康な体を作るのに必要なものになります。
もちろん、味のついてない蒸し肉や蒸し野菜、フルーツなどはビタミンなどの栄養素が豊富なので分量を調節してながら与えても大丈夫です。

加工品や味のついたものには塩分、糖分、脂質がはるかに多いので犬にとっては物凄く美味しく感じられます。
私たち人でいうジャンクフードのようなものです。とっても美味しいですが、毎日食べ続けると栄養が偏ったり生活習慣病になってしまいます。
犬にとってはそれが、人間のご飯になります。
”可愛いから””欲しそうにしているから”とあげないようにしましょう。

肥満

人の肥満と同じように、犬の肥満も健康寿命や寿命を縮める一つの原因です。
また肥満によって糖尿病・関節炎・椎間板ヘルニア・膵炎・心臓病など様々な病気が引き起こされるリスクが増加します。
ご飯・おやつの与えすぎや運動不足によってどんどん体重が増えていきます。
しかし、犬自身では食事を減らすことも一人で散歩に行くこともできません。
なので私たち飼い主が健康的で適量の食事管理、運動不足にならないような運動管理をしっかりとすることが大切です。

成犬時は年に1回、シニア期からは半年に1回動物病院で健康診断を受けることでしっかりと健康を把握できます。

歯磨きをしない

犬の口内は弱アルカリ性になります。アルカリ性により虫歯にはなりにくいですが、歯垢・歯石がつきやすく歯周病になりやすいです。

純粋に人は毎日歯磨きをするのに、何故犬にはしないのでしょうか。
犬だってご飯を食べる時に歯で噛んでいます。その歯が歯石でぐらついていたり、歯周病で腫れていれば痛くてご飯を食べるのもままなりません。

歯磨きをしないことで様々な病気を引き起こします。
犬の歯垢・歯石は3日で付くといわれています。そして歯石の中には多くの菌が存在しています。
これが進行していくと、歯周病になりさらに進行すると顎の骨に炎症が出たり・感染症・心内膜炎・虚血性疾患・肝炎・間質性腎炎・関節炎・脊髄炎など命に関わるものばかりです。

毎日、食後に歯磨きをしてあげることが大切です。
歯磨きだからといっていきなり人と同じ歯ブラシでしてしまうと歯茎を傷つけてしまい、口の中を触られることを嫌いになってしまいます。
子犬の乳歯の時からまず口の中に指を入れても大丈夫!!ということから始めましょう。
少しずつ慣れてもらい、徐々に歯磨き粉や歯磨きシート→犬用の歯ブラシと段階を踏んで楽しく歯磨きができるようにしましょう。

ストレスや刺激

犬にとって過剰な刺激や環境の変化はストレスの原因になります。
ストレスが溜まっていくと”免疫力低下”や”自律神経の乱れ”に繋がります。
足先を舐める・尻尾を追いかける・無駄吠え・粗相・下痢・嘔吐・食欲不振などがみられます。

犬の個体や性格によってストレスを受ける度合いは様々ですし、ストレス0の生活はすごく難しいことですが
生活環境や接し方を気をつけることで減らすことは出来ます。
ストレスのおおまかな原因をみてみましょう。

スキンシップ不足
留守番の時間が長く、飼い主が帰ってきてもあまり構ってくれない
→スキンシップや一緒に遊ぶことで幸せホルモン(セロトニン)が増加し、ストレス緩和につながります。

環境の変化
引っ越しや家族の結婚や出産による変化、新しいペットの増加
→犬の性格にもよりますが、大人しい性格の子や飼い主にべったりの子は構ってもらえる時間が少なくなり、嫉妬やストレスが増える傾向があります。

不快な環境生活
トイレや生活範囲が清潔にされていない
→汚れた空気などによる皮膚への悪影響やプラスチックゴミなどの誤飲にもつながります。

体罰
しつけと言って叩かれたり、必要以上に怒鳴られたりする
→軽くと思っていても体の小さな犬にとって人の体や手はとても大きいものになります。最悪の場、合骨折や失明などもあり得ます。

運動過不足
小型犬だから、外が嫌いだからと散歩や運動をしない。
→筋力が付かず、将来寝たきりになる可能性が高くなります。また少しでも日光を浴びないと生活リズムのバランスが崩れたりします。

構いすぎ
可愛くてついつい構いたくなる気持ちはわかりますが、トイレ中やご飯を食べている時にまで構われたり、じっと見つめたりすることで逆にストレスになります。

おわりに

ご飯や生活環境をよくするだけで健康寿命は伸ばす事が出来ます。
また、「愛犬と飼い主が日常生活で会話をしながら暮らしている方が寿命が長い」と証明されている研究結果もあります。
沢山の愛情をもって寿命はもちろん、健康寿命も伸ばしていきましょう。