動物を飼う飼い主さんへの責任とは

ブログ中村店

以前、動物に関する法律についてお話させていただきました。法律に近いお話にはなりますが、今回は周りの人々に迷惑をかけないよう又は、動物が不幸な思いをしないようわんちゃんをはじめとする動物を飼う飼い主さんへ最低限の責任についてお伝えできればと思います。

飼い主さんの責任として挙げられるものは大きく分けて6つ

・動物の適正飼養と動物の健康と安全を守る
・終生飼養の義務
・周囲の人への危害や迷惑の防止
・動物由来感染症の知識と予防
・不妊去勢手術の実施
・動物の所有者を明確に示す

となります。

 

 

①動物の適正飼養と動物の健康と安全を守る

前提として動物は人とは違う生き物です。

その動物の種類に応じた生理、生態、習性をしっかりと理解し動物に応じた適切な飼養をしましょう。

健康に気を配り、病気など通常と異なる場合はかかりつけの動物病院へ受診や相談をしましょう。

また動物の安全確保も飼い主さんの重要な役目です。
不注意での脱走は動物にとって不幸なことでしかありません。

わんちゃんの場合、飼育場所やお家の扉の閉め忘れや花火大会など大きな音でパニックになり脱走してしまうことも考えられます。

怖がりな性格の子ですと緊急車両の音でも平常心を保てなくなることもあります。

日頃から扉の施錠確認や普段外で飼育している場合、花火大会など大きな音がするイベント当日はお家の中に入れてあげるなどあらかじめ脱走を予防してあげましょう。 

怯えている場合は落ち着くまでできるだけそばに寄り添ってあげましょう。

ただし、酷く怯えている場合は近づくと怖くて反射的に攻撃してしまうことがあります。

その場合は無理に近づくのは危険ですのでやめてください。

 

 

②終生飼養の義務

終生飼養とはその動物が命を終えるまで適切に飼養することをいいます。

2020年の調査でわんちゃんの平均寿命は、14.48歳でした。(ペットフード協会調べ)

飼育環境の改善やペットフードの質の向上、獣医療の発展もあり平均寿命が年々上がり続けています。

また、長寿で知られる亀や一部の鳥類は種類にもよりますが100年以上生きることもあります。

今一度その動物がどのくらいの寿命なのか飼養者の緊急時の引取り先など何かあった際、動物が寂しい思いや不幸にならないよう動物目線で一生について考えてみてください。

 

 

③周囲の人に危害や迷惑の発生の防止

動物が人に危害を加える可能性はゼロではありません。

咬みつく飛びつくなどの行動で相手にケガをさせてしまった場合、治療費や損害賠償を求められるケースもあります。

そうならないためにもしつけと対策がとても重要になってきます。

甘噛みや悪意のない飛びつきでも「してはいけないこと」と教え、改善されない場合はドックトレーナーさんなど専門の方の指導を受けましょう。

咬み癖が直るまでは口輪をつけて散歩するなど対策をしっかりとって行いましょう。

また、ニオイ抜毛鳴き声など程度によっては周囲の人を不快な気持ちにさせることがあります。

悪臭問題で特に注意すべきなのは排泄物のニオイです。

放置すると悪臭の原因となりますので排泄後すぐに掃除しましょう。

またトイレ容器も定期的に洗い清潔を保ちましょう。

散歩中に粗相をしてしまった場合は放置せず必ず持ち帰り、地方自治体に従って正しく処分してください。

また、散歩中に排尿してしまった場合は水で十分に洗い流しましょう。

排泄物を入れた袋やゴミ箱は排泄物のニオイが近隣へ広がったり害虫が集まる恐れがある為外に設置するのはやめましょう。

動物の種類によっては毛が抜けることがあります。
アレルギーの持病を持つの方ですと抜毛やフケで症状を示す人もいます。

抜毛の飛び散りがトラブルの原因となりますので公共の場所、他人の敷地を汚さないようブラッシングは必ず室内で行いましょう。


また、換毛期は抜毛の量も普段よりも増えるのでよりこまめにブラッシングをしましょう。

鳴き声も時として騒音となることがあります。

わんちゃんの場合吠え続ける行動には病気ケガ分離不安発情飼い主さんの気を引きたいなど様々な理由があります。

その行動を抑えるには原因を突き止め、獣医師やトレーナーさんなど専門家と協力して緩和していきましょう。

また、治るまでに時間が要する場合があり、鳴き声を放置していると近隣の迷惑になることがあります。

壁を防音使用にするなど防音措置をして音が外に漏れないよう対策しましょう。

 

 

④動物由来感染症の知識と予防


動物由来感染症とは動物から人に感染する病気の総称で、日本国内で発症するものは約50種類程度あると言われております。

感染していても無症状のものから命に関わるような重篤な症状を示すものまで様々です。

感染症によっては動物が無症状な状態でも人が感染したら症状がでることがあり、またその逆の場合もあります。


そういった感染症にならないためにも同じお皿を使う、キスをするなど動物との過度な接触は避けましょう。

動物の毛には害虫やその卵があったり、知らないうちに動物の体液に触れている場合があり、それが傷口に触れて感染することがあります。

動物に触ったらしっかり手を洗いましょう。

ブラッシングや爪切りなど動物のお手入れは定期的に行い清潔を保ちましょう。

野生動物はどのような病原体を持っているかわからないので接触は避けましょう。


動物の糞尿は害虫の飛来や乾燥して空気中に拡散するのを防ぐために速やかに片付けましょう。


わんちゃんであれば狂犬病の予防注射ノミダニの予防などがあります。内容に応じて忘れずに予防しましょう。

動物や飼い主さんの体調がいつもと違うと感じた時には医療機関を受診しましょう。

 

 

⑤不妊去勢手術の実施

最近では生殖器系の病気を未然に防ぐ観点から不妊去勢手術を受けさせる飼い主さんも増えてきています。

ですが「元気なのに手術なんてかわいそう」「家から出さないから」などの理由により不妊去勢手術を受けず過ごす子もなかにはいます。

元気なうちに受ける手術と病気になり悪い状態で受ける手術とではリスクも異なりますし、オスメスの多頭飼いの場合いくら気をつけていても完全に大丈夫とはいえません。

また1頭で飼っていたとしても絶対に脱走しないとは100%いえません。

不妊去勢手術には病気を防ぐ大きなメリットもありますが、もちろん麻酔のリスクや手術後の体型管理などデメリットもあります。

迷っていたり少しでも心配ごとがあればかかりつけの動物病院に相談することをオススメします。

未実施の結果「知らないうちに妊娠してしまった」「増えすぎてもう飼えない(管理ができない)」など不幸な命を増やさないためにもできる限り受けさせましょう。

 

 

➅動物の所有者を明確に示す

飼っている子がもし逃げてしまったら、災害時にはぐれてしまったら飼い主さんにつながる情報があるのとないのとでは見つかる可能性も大きく変わります。

首輪やハーネスに迷子札や鑑札をつけ飼い主さんの情報が常にわかるようにしましょう。


今回の法律改正で飼い主さんにはマイクロチップを装着する努力義務が課せられます。


マイクロチップとは長さ8~12mm、直径2mmの円筒状で体内(わんちゃんの場合、首の後ろ)に装着するものです。


専用の機械をかざすと飼い主さんの情報を読み取ることができます。

専用の機械は全国の動物保護センター保健所動物病院などに配備されています。


また引っ越しして住所が変わった動物の所有者が変わったなど飼育環境が変わった場合はマイクロチップ内の情報変更する必要があります。

インターネットでも登録申請ができますので忘れずに変更しましょう。

 

 

いかがでしたでしょうか。

「実はこれ良くなかったんだ」と思うものはありませんでしたか?

もし、ありましたら改善や解決方法を考えてあげましょう。

今よりも良くしてあげることで動物たちの生活の質を上げる事にも繋がりますし、動物と人が上手に共生することにも繋がります。

これらをしっかり守って動物たちと楽しくすごせるよう意識してあげてくださいね。