犬の生理(ヒート)について

こんにちは!名古屋のトイプードルカットならおまかせのトリミングサロン犬の美容室いちごです。

今回は、新しく女の子のワンちゃんを迎えた方に知っておいてほしい犬の生理(ヒート)についてお話します。

犬の生理(ヒート)とは

犬の生理はヒートと呼ばれ、避妊をしていない女の子のワンちゃんに必ず起こる現象です。ホルモンバランスの変化により、身体的にも精神的にも変化が起こります。
犬の生理は正確には「発情期」といい、人の生理とは様々な面で異なります。
犬の発情周期(発情から次の発情までの周期)は5~10か月と長く、①発情期前、②発情期、③発情休止期、④無発情期の4つに分けられます。

いつから始まるもの?

成熟期を迎える時期に起こります。
・小型犬:6~10ヶ月齢くらい
・大型犬:10~16ヶ月齢くらい
※個体差はあります。早い子もいれば遅い子もいます。

期間はどれくらい?

出血が見られる期間は早くて8日前後、長い場合は2~3週間くらいですが個体によって幅があります。
量も犬によって差があり、少なかったり犬が自分で舐めとってたりすると飼い主が気づかないこともあります。
周期は基本的に6ヶ月~1年に1回です。

いつ終わる?

人はある程度の年齢を超えれば、生理が一切来なくなる閉経を迎えます。しかし犬は人とは異なり、避妊手術をしていなければ生理が終わることはありません。ただ、年齢を重ねるにつれて、出血量や出血日数が減少することはあります。

発情周期について

・発情期前(約7~10日間)
妊娠に備えた体の変化が始まる時期で、発情出血が始まってから、雄犬に交尾を許容するまでの期間のことをいいます。膣分泌中の性ホルモンによって雄犬を引き寄せますがまだ交尾は許容しません。
〈症状〉
陰部の腫れ、陰部・子宮内膜からの出血、食欲が落ちる、落ち着きがない、陰部を気にして舐める、尿の回数が増える、元気がなく食欲が普段よりも落ちる、お散歩を嫌がることもある

・発情期(約7~10日間)
雄犬に交尾を許容する時期です。排卵は発情期に入ってから約3日で起こります。
〈症状〉
出血量が少なくなる、赤色の血が淡いピンク色に薄くなる、陰部の腫れは発情期4、5日をピークに退縮する、普段よりも興奮気味になる

・発情休止期(約2ヶ月)
発情出血が止まり、雄犬を許容しない時期です。この時期は妊娠の有無をに関わらず妊娠を維持するホルモンが分泌されます。このホルモンの影響で妊娠した時と同じように乳腺が発達し、乳汁がわずかに分泌されるようになります。これを生理的偽妊娠といいます。

・無発情期(約4~8ヶ月)
発情休止期から次の発情期前までの4~8ヶ月のことをいいます。症状はとくになく、避妊手術を受けた犬のように落ち着いた状態になります。

生理中の注意したいこと

・おむつやマナーパンツを履かせる
出血が始まった時はおむつやマナーパンツを履かせて、家具や床などに血液が付着するのを防ぎます。出血量は個人差があり、とくに小型犬は出血量が少なく、自分で陰部を舐めてきれいにする子も多いためおむつやマナーパンツが必要ない場合もあります。出血が多く部屋中に付着してしまう場合はしてあげると良いでしょう。
また、おむつを長時間履いたまま放置するとおむつかぶれを起こすことがあります。おむつをこまめに取り換えたり、外す時間を作ってあげましょう。陰部の周りの毛を短くして血液をつきにくくしたり、出血量が多い子には濡れたコットンや犬用のウェットティッシュなどでふきとってあげるなどできるだけ清潔な状態を保ってあげましょう。

・生理中は警戒心が強い
生理中の犬は警戒心が強い傾向にあります。特に生理直後の偽妊娠になり、ケージにぬいぐるみを持ち込んで子育てをしているかのような行動をとっている場合には、警戒心が強くなっているため取り上げようとすると噛みつこうとする可能性もあります。刺激を与えるような行動は控え、そっと見守ってあげましょう。

同居犬がいる場合には、いつもよりも気にかけてあげましょう。普段は仲良しな子同士でも喧嘩やトラブルが起こってしまうことがあります。また、未去勢の雄犬がいる場合は、望まない妊娠を避けるために部屋を分けるなど対策してあげましょう。

・食事の注意点
生理中は食欲が低下してしまうことがあります。
ごはんを食べないときは、トッピングをしたり、缶詰や香りのあるスープを加えたりするなど工夫してみましょう。あまりにも食欲がない場合は病院を受診することをおすすめします。

・お出かけの注意点
体調が優れないときは、散歩の時間をいつもより短くしたり、無理に散歩に連れて行くのはやめてあげましょう。体調に問題なければ、外出しても大丈夫ですが、生理中はホルモンの影響で雄犬を興奮させてしまいます。その子自身も生理中は警戒心が強かったり気が立っているので、ほかのわんちゃんとのトラブルを避けるためにも、ドッグランやドッグカフェなどたくさんのわんちゃんが集まる場所は避けて、散歩もできるだけ人の少ない場所や時間を選んであげましょう。

・避妊手術を検討しよう
生理の1番の対策として避妊手術があります。避妊手術には生理が来なくなる以外にもたくさんのメリットがあります。反対にデメリットもあるので、メリットもデメリットも知ったうえで動物病院でも相談し検討しましょう。

まとめ

わんちゃんの生理は身体的にも精神的にも変化をきたらします。わんちゃんの生理についてしっかり理解し、正しい対策や注意するべきことを覚えておき、わんちゃんと飼い主にとっても少しでも生活しやすくストレスが減らせるように心掛けましょう。